AWSクラウドプラクティショナーを取得して感じたメリットと学習方法

IT


IT業務未経験の方、業務経験が浅い方へ。

ITは実践命なので資格取得は意味がないと聞いたことはないでしょうか。結論として資格取得に意味はあります。ここでは『AWSクラウドプラクティショナー』を例に挙げます。

『AWSクラウドプラクティショナー』は入門資格に位置していて、取得のメリットが感じづらいかもしれません。しかし筆者はIT業界1年目の時に『AWSクラウドプラクティショナー』を取得したのです。

取得をすることで、クラウドの土台を知ることができました。その他にもメリットを得ましたので筆者の実例をもとに紹介します。併せて『AWSクラウドプラクティショナー』の学習方法、学習をする上での注意点も提示します。

AWSクラウドプラクティショナーとは

AWSはAmazon社が提供するクラウドサービスの総称です。サーバーやストレージ、仮想開発環境などを集約しアプリケーションを動かすためのインフラを作成したり、データ分析等に活用します。

上記サービスの活用スキルを証明するのがAWS認定資格です。

AWS公式


難易度は

・基礎
・アソシエイト
・プロフェッショナル
・専門知識

と分かれています。『AWSクラウドプラクティショナー』は、基礎に位置しているAWS認定資格です。試験範囲はクラウドの概念・セキュリティ・クラウドテクノロジー・コンプライアンス・請求、料金およびサービス。内容としてはAWSの基本的な概念を問われます。

尚、クラウドテクノロジー分野ではデータベースやストレージなどAWSの主なサービスについて取り上げられます。業務で使用するサービスも出てくるでしょう。

AWSクラウドプラクティショナーを取得する5つのメリット

ここからは、筆者が『AWSクラウドプラクティショナー』を学習および取得して感じたメリットを5つ紹介します。

    AWSの知識が網羅できる

     AWSには200以上のサービスが存在しています。どの場面でどのサービスが適切なのかといった知見が資格取得により養われました。また、クラウドの概要・セキュリティ・コンプライアンス・テクノロジーとサービス・請求と料金といった、業務を行う上で欠かせない内容がバランスよく学べたと感じます。

     1つ1つのサービスが結びついて関連していることを理解でき、知識と知識が線になることを体感したのです。

    業務で発生する用語が理解できる

    『AWSクラウドプラクティショナー』を未取得の時は、現場で飛び交うクラウド関連の用語や概念に付いていけませんでした。「EC2インスタンスをAMIから生成してオートスケーリングしELBでロードバランシングする。」こういった内容は資格学習をすることで、理解できるようになります。

     専門用語や独自の概念を学習できるので、まさにAWS有識者が「何を言っているのか分からない。」から脱することができるのです。また、AWSの構成を考えるのは難しいですが有識者の言っていることがぼんやりとは分かるようになりました。意図を把握できてくるのです。

    『AWSクラウドプラクティショナー』を取得したことで、自社の営業など非エンジニア層と会話をする際、技術的な内容を分かりやすく説明できている気もします。

     AWSを触るチャンスがあったときにAWSについて知らなければ実践の際、どうすればいいのか分からないでしょう。本番環境などで大きなミスも起こしかねません。大きなミス起こすことで客先業務であれば作業を任されなくなりキャリアにも影響するかもしれません。

    次のステップへの足掛かりになる

    『AWSクラウドプラクティショナー』を取得するからこそ『AWSソリュ ーションアーキテクト』といった、上位資格もスムーズに取得できるようになるはずです。

     網羅的な基礎があるため、サービスに深く踏み込んだ時に理解ができやすいでしょう。『AWSソリューションアーキテクト』からプロフェッショナル系の資格に移る時も同じことが言えます。

     クラウドは今後も需要が高いITスキルであり、資格があることでスキルの証明の一助になるでしょう。

    就職の難易度が低くなる

     現在、クラウドスキルを求めている企業は多くあります。しかしクラウドスキルを扱える人材は少ないと言われます。AWS関連の資格を取得しているとクラウドスキルを求めている企業へ就職が有利になるはずです。

     就職をすれば、クラウド案件に携わるチャンスが増えるため業務レベルで活きた技術が身に付きます。結果として淘汰されないエンジニアになる確率が上がるでしょう。

   AWS主催イベントへ出席できる

  『AWSクラウドプラクティショナー』を取得することでAWS主催の限定イベントに参加できます。Appreciation Receptionの招待状が届くためです。AWS Summitイベントなどのイベントで他の認定者とも交流できるでしょう。

   また他の認定者と交流することで、業界情報を知るよい機会になると言えます。人脈づくりの場にもなりえ、転職や独立といった足掛かりになるかもしれません。

筆者のAWSクラウドプラクティショナー合格体験記

『AWSクラウドプラクティショナー』を取得することで、クラウドの概要を知れクラウド業務に携わる可能性を上げてくれることが分かりました。以下からは実際に筆者が『AWSクラウドプラクティショナー』を取得するまでの道のりを示しました。

使用教材や学習方法を載せますので、『AWSクラウドプラクティショナー』を取得しようと思った方の参考になれば幸いです。

    AWSクラウドプラクティショナー取得のためのロードマップを      作成

     インターネット上で、「悠長に構えていたらクラウドプラクティショナ ーに落ちた。」という意見を見受けました。まず学習時間と学習計画を立てた方がよいと思ったのです。学習時間は当時IT業界1年目であったため多く見積もって50時間と決めました。

     IT初心者であれば30~50時間程度
     IT中級者以上20~30時間
     AWS使用経験者5~10時間

    と取得までの大まかな学習時間も目にしました。

    筆者は当時AWS自体を触ったことはなく、ネットワーク系の知識は得ている状態です。AWSに関する知識は乏しいスタートのためクラウドサービス      やAWSの概要を理解する所から始めることにしました。そのあとにAWS上のネットワークやストレージについて踏み込む計画です。

    ここまで計画ができたら参考となる教材を決めて参考書にする、参考書での学習をし終えたら練習問題に取り組みアウトプットすると決意しました。忘れがちですが仕上げとして苦手に挙がった分野も徹底的にやり込みます。苦手分野をやり込めるかどうかが合否に少なからず影響すると思ったからです。

    平日1時間、休日2時間ほどを学習時間として充てることにしました。

   参考書の決定と具体的な参考書学習

AWS認定資格試験テキスト AWS認定クラウドプラクティショナー

    参考書は通称、緑本と呼ばれる『AWS認定資格試験テキスト AWS認定クラウドプラクティショナー』を使用することにしました。AWSクラウドプラクティショナーの学習をするならまずコレといった口コミが多かったためです。

    学習方法として

    1. 試験範囲の内容把握のため参考書を最初から最後まで読み通す。(主要なサービスであったり具体的なサービス名を記憶していく。)
    インフラ領域になるので、サービス名をアイコンで紙に書き出して視覚化して覚えその際、解説も載せる。

    インフラ領域は、想像力が必要。
    サービスとサービスを図示してつながりを明確にすることで頭に残りやすくする。章末問題も解答していく。ここでは、正答率を気にせず解説内容を覚えた。

    2. 1度参考書を読破しただけでは記憶が定着していないためさらに読み込む。ここでは念入りにサービス間のつながりを理解し、どういうことを実現するサービスなのかを頭に落とし込むフェーズ。

    章末問題にも取り組み正答率にこだわる。8~9割以上正答できるように。解説で書かれている内容も理解する。

   1.は初見になるため、ざっと流し読みでよいという人もいるかと思います。筆者の場合は最初から、概要やサービスをイメージすることで頭の中に図が作成されていきます。初見で図を作成することで強烈に印象に残るため忘れずらいです。

視覚化して、イメージをする(筆者メモ)

  参考書での学習終了後、模擬問題集へ移ります。

 模擬問題集の決定と具体的な模擬問題集学習

【CLF-C02版】この問題だけで合格可能!AWS 認定クラウドプラクティショナー模擬試験問題集(6回分390問)

  模擬問題集は、『【CLF-C02版】この問題だけで合格可能!AWS 認定クラウドプラクティショナー模擬試験問題集(6回分390問)』に決定しました。選んだ理由としてプラットフォームはUdemyであり、認知度の高いオンラインスクール等もUdemyを動画教材として使用しているためです。

  模擬試験問題集は基本レベル1~2と本番レベル1~4で構成されています。 こちらの基本レベルと本番レベルを常時、8割~9割正答できるように取り組みました。(大体、模擬問題の類は8割~9割を正答できるようになると本試験でも合格ラインのためです。)

  具体的な学習方法は

  1. 模擬問題1回分を通しで解く。(65問。)
  2. 解説内容を読む。(正答・誤答構わずどちらの内容も読み込む。)
  3. 間違えた問題と解説をセットにしてメモに書き込む。
  4. メモと参考書を紐づけながらもう一度復習を行う。(メモと参考書の内容が頭の中でイメージできるようになるまで。適宜、参考書学習の時にアイコンを書き出した紙も使用。)
  5. もう1度、同じ模擬問題を通しで解く。(65問。)
  6. 8~9割の正答率であれば、次の模擬問題1回分に進む。(8~9割に満たない場合は2.~5.のサイクルを繰り返し8~9割の正答率になったところで次の1回分の模擬問題に臨む。)
  7. 上記を収録分(全6回)実施する。

 模擬問題を行った所感として、中々一筋縄ではいきませんでした。本番レ   ベルの模擬問題が難しく筆者は初見で4割ほど、2回目で5.5割~6割程度、3   回目で7~8割といった変遷をたどったのです。

 収録分(全6回)8割以上の正答になったタイミングで、仕上げに移行しまし   た。

 本試験間近 苦手を徹底的に潰す

 参考書章末問題や模擬問題集の誤答が自分の苦手なサービス、分野だったりします。本試験でも間違えるリスクが高いでしょう。そのため筆者は、本試験ギリギリまで間違いを記したメモと参考書を突き合わせました。

 苦手なサービスや分野は覚えたつもりでも、時間が経つと抜け落ちることがあります。ですので綿密に間違えたところを復習することは大切でしょう。苦手を徹底的に潰すかどうかが合否を分けるポイントになります。

上記学習をした成果もあり、無事『AWSクラウドプラクティショナー』を取得できました。

最後に

『AWSクラウドプラクティショナー』を取得することでAWSの概念であったりクラウドの知識は身に着きます。ただし、あくまで業務上のコミュニケーションで何を言っているのか等、分かるだけです。クラウドの設計や構築スキルは別問題です。

業務では実際にAWSを使用しAWS上でインフラ構築などを行います。そのため、『AWSクラウドプラクティショナー』を取得したからといって仕事ができるようになるわけではありません。

しかしクラウド業務をする上での基礎を身に着けられるなどメリットは大きいです。『AWSクラウドプラクティショナー』資格取得には大いに意味はあるでしょう。

 補足

AWSサポート

 Udemyで実際にAWS環境を構築できるなどの講座があります。講座に沿っ  てAWS環境を構築していくとRDSやEC2を使用し、連携する場面に遭遇するのです。

その際、インスタンスの稼働をうっかり停止し忘れているや不要なインスタンスを削除しきれていないことがあると常に課金されていくので注意しましょう。筆者は30万円を請求されたことがあります。

AWSに実際触れる際にはCloudWatchやクレジットカードの取引履歴をこまめにチェックすることをおすすめします。

AWS公式に事情を伝えて了承されれば、半額近くの返金などもあり得ます。ただ事情をきちんと明確に伝えなければいけません、注意してください。

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